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2025.12.15

四季の山紀行(飛計路のブログ)

■ 加東市・三草山・・・・25年12月14日

雨は上がったばかりで大変暗い。それでも先行車が3台、流石に人気のハイキングコース、と感心しながら見ていると、歩き出した彼らの手には釣竿が揺れていた。釣り師、昭和池に、彼らの釣るようなお魚はいたんだろうか。池の管理棟方面に消えて行く彼らと別れ、賑やかな小鳥の声が聞こえる三草山お散歩コースを行く。このコースは大雨のあとでも濡れることがない。ほぼ灌木ばかりのコースである。

 

低い雲に加えて霧が立ち込め遠望はほぼない。遠望どころか直ぐ近くのピークさえ霧の彼方だ。風が無いので暖かく、忽ち汗になったのは思わぬ僥倖、こうでなくては歩く価値が半減する。汗には多いに出て貰ってもよいが鼻水が酷い。山道を歩きながら、鼻水の有用性について考えた。鼻の粘膜を保護し、外敵の侵入を阻害するなら風邪の前でなくては効果が無い。では、寒気の中で出る鼻水の効能を探してみても、これと云うものが無い。ほぼ、無駄ではないかと云う結論に至った。鼻水はマスクの代替にはなり得ないと云うどうでもよい結論である。(下品な話ですみません)

 

雨上がりであるから岩場は滑る、かと思うのだが意外と濡れた岩にも摩擦力がある。ウバメガシの続く古い時代の海岸の岩だ。雨に降られて徐々に風化の進む岩である。外界の様子は濃い霧で見えないながら、雨に濡れた赤いウメモドキの実が宝石の様に煌めく。惜しむらくは今少しだけ光が欲しい。顔を上げると大坂山辺り、霧に霞む重畳たる稜線はなかなかに形が良い。低いながらも深山の雰囲気、と思いたいところ、国道の車のノイズが這い上がってくる。

 

ピークのピストンを終えた方が降って来られた。片道3kmばかりのコースだが、こんなにアップダウンがあったんだ、と改めて知るのは何処でも同じだ。故に楽しいとも云える。薄いピンクの毛に覆われたコウヤボウキ、種になっても天気が悪いと閉じたまま。もっと光を、と叫ぶのは人のみに非ず。質量の無い光は意志に出逢って糧となる。1時間ばかりでピークに到着。流石に無人、出逢った人は二人だけ。ピークは冷たい風が吹いて寒い。たかだか430mほどだが鼻水が反応するから周回コースへ降ろう。

 

またまた、濡れた岩の急斜面の道を100m、登り返すと青空が待っていた。陽射しは暖かくて有難い。見下ろした昭和池は干上がって、水は深い辺りにのみ溜まっている。あそこで釣りをやるのは反則だろう。勝負事は正々堂々を旨とすべし。しかし釣り師の影はどこにも無い。彼らは何処へ消えたのだろう。やがて、まだ見ない天狗岩の案内の前。見てもみたいがあまり降るようだと億劫である。今日もまた、途中までは行ってはみたものの多いに降る。やっぱり止そう。地図には直ぐ脇にある筈なのだが蜃気楼と同じだ。何れお目にかかる日もあるだろう。水の無い、池面に降りて周回は終わり。最後に、クリスマスツリーのある休息所で、おば様集団の天衣無縫のエネルギーを拝見した。凄いね